夕張市の今 石炭炭鉱の閉山と自治体の財政破綻

夕張市は昔、炭鉱・石炭により栄えていた地域なのですが、時代の変化とともに、高額の借金を背負い財政破産に陥った自治体です。現在、財政再建団体となり、いろいろと方法を模索していますが、人口減少もあり、借金の返済は厳しい状況のようです。

◆Coal 人口減少とコンパクトシティ

夕張市の過疎化、人口減少が大きな問題となっています。 かつて11万人を抱えていた都市・・・、現在、1万人を割ってしまいました。 この人口で、栄えていたころのインフラを維持するのは自殺行為です。 人手も予算も足りません。 居住区や、町の機能を1か所に集中させ、インフラ費用を抑えることが急務。 少ない人口で、多くのインフラを維持するなど到底、不可能です。 実際に、少ない人口で広大なインフラを維持するとしたら・・・、 金持ちのみが居住する市で、人出はすべて市外の業者に委託。 どこのアメリカだよというような、状況でないと無理です。

◆Coal 夕張市の人口の推移

日本では、総務省統計局が、国勢調査を行っています。 夕張市は、自分のところの統計結果をまとめています。 http://www.city.yubari.lg.jp/contents/tokei/ 夕張市の人口について 昭和35年の116,908人が最多人口ですが・・・、 平成27年の国勢調査では、8,845人にまで落ち込んでいます。 最多人口と比較すると、7.565%という人口です。 ※住民基礎台帳ベースでは、平成27年は9,362人という人口(3月時点)  平成28年8月時点で、人口が8,872人まで減り、人口流出に歯止めがかかっていません。 ※夕張市地方人口ビジョン及び地方版総合戦略によると、札幌市への移住が多いようです。 人口が減っても、借金は減らない。 なんとかして止めないと、じり貧、厳しいですね。

◆Coal コンパクトシティへの移行

町の交通計画、インフラを最小限、最大効率にしようということで、 夕張市まちづくりマスタープランが計画されています。 都市計画の基本的な方針(夕張市より) https://www.city.yubari.lg.jp/contents/municipal/master/pdf/iinkai/plan/plan(honpen).pdf 財政再生計画と都市計画 都市計画により、環境・保健・福祉・商工業・観光・消防・医療・防災計画・上水道・市営住宅・・・、 いろいろな物を整合整理する総合的な計画です。 これだけ聞くと、聞こえはいいですが、実際にやるとなると別問題。 住民をみんな1か所に集めるとか、そう簡単に出来るものではありません。 強制移住なんて、土台不可能ですし・・・、お願いするにしても・・・、 先祖代々の土地だとか、引っ越しすること自体が嫌だとか、もう歳だからとか・・・、 引っ越しを嫌がる人は多いでしょう。 引っ越すくらいなら別の自治体に引っ越して、住民税払わないぞ!なんてのも出来ちゃいます(別の自治体に払う) マスタープランにおいては、 分散した市街地をつなぐ、強固な都市骨格道路網の整備としています。 1.需要が少ない交通網や公共施設を減らして、引っ越しを促進させる。 2.人を集めたい場所に市営住宅を建設する。 3.都市計画区域の区分区域の変更、市街化調整区域を広げていく。 やるとしたらこの位ですが・・・、 いざ引っ越すとなると、夕張市じゃない市に引っ越してしまう可能性もあるという・・・
◆Coal 夕張市の学校・公共施設
人口減少により、学校機関などの公共施設にも影響が及んでいます。 夕張市の学校基本調査(平成25年)によると、現在夕張にある教育機関は・・・、 小学校1校(ゆうばり小学校 生徒242人 教員21人) 中学校1校(夕張中学校 生徒155人 教員19人) ※このほか、高校が1校(北海道夕張高等学校)あります。  市の人口減少に伴い、北海道夕張北高等学校と北海道夕張南高等学校が統合。
◆Coal コンパクトシティの必要性
コンパクトシティによる引っ越しには、当然ながら強い反発があります。 しかし、夕張市にとっては、必要不可欠な事項となります。 少ない人口で、多くのインフラを抱えているため、 ごみ出しや下水道の料金など、行政サービスの値段がとても高いのです。 夕張市がJR北海道に対し廃線を提案! JR北海道がこの提案を受け入れ、石勝線夕張支線が廃線になる予定とのこと・・・、 ※石勝線夕張支線は、新夕張駅−夕張駅を結ぶ16.1kmの区間です。 不採算路線を廃止し、バスを主力とした複合施設の整備を目指す模様。 田舎のバス料金は高い・・・、コンパクトシティのためとは言え、なかなかに厳しいですね。 TOPに戻る:夕張市の今・現在
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