夕張市の今 石炭炭鉱の閉山と自治体の財政破綻

夕張市は昔、炭鉱・石炭により栄えていた地域なのですが、時代の変化とともに、高額の借金を背負い財政破産に陥った自治体です。現在、財政再建団体となり、いろいろと方法を模索していますが、人口減少もあり、借金の返済は厳しい状況のようです。

◆Coal 財政破綻の原因と再建・再生の現状

日本の自治体で初の財政再生団体となった夕張市、なぜ財政破綻に陥ってしまったのでしょうか? 財政破綻となった原因 1.炭鉱・石炭の産業が終わりを迎えた。 2.石炭の次は、観光だ!遊園地つくるよ!   見事なまでに失敗、建築費は補助だからともかくとしても、維持費や人件費が完全に無駄。   このほかにも、スキー場やホテルなどいろいろと観光のために投資して、失敗・・・   ゆうばりメロン城とか、あれ元が取れてるのだろうか?   炭鉱閉山処理の費用や、炭鉱住宅も財政に大きなダメージを与えています。 3.主要産業が終わる前に、次の柱を作る必要があるのだが・・・   でも、出来なかった。 4.困った時のためのヤミ債券!自転車操業で頑張るよ!

◆Coal 破綻の最大原因、粉飾決算

困った時のヤミ債券と書きましたが・・・、これが最大の問題、原因となった点です。 本当は赤字なのに、借金で金を集めてきて・・・、これは収入ですと言い張っていたのです。 借金は収入 そして、借金があることは隠しました。 短期の借り入れなどを駆使し、収入として計上、借金は隠すということを何年も繰り返した結果・・・ どう頑張っても返せないまでに借金が膨れ上がっていました。 1.赤字になると自分の支持率に影響がでてくる! 2.無理してでも建築ラッシュなどをしないと、働き手がほかの市に流出してしまう! 3.粉飾しても、成功すれば完済、借金してたことがばれない筈だ!なんとかなる筈・・・ 積み重なった粉飾、これが破綻の最大原因でしょう。

◆Coal 夕張市の借金の返済状況・計画

人口減少が続く夕張市ですが、驚くことに歳入は減っていないようです。 財政状況・各会計当初予算(夕張市より) http://www.city.yubari.lg.jp/contents/municipal/zaisei/jyokyo/ ※国庫支度金は、使途が特定されている特定の事業等のため国が地方公共団体へ交付するお金。 ※道支出金(県支出金)は、国庫支度金の北海道バージョンです。 ※繰越金は、前年度から持ち越された財源の金額です。 ※市債による収入は、要するに借金による収入です。後に歳出にある公債費として返済しなければなりません。 ※現在はヤミ債券という訳ではないでしょうからご心配なく、公債費の額が市債の額を超えていればOKです。 現在における夕張市の財政 人口減少による市税のマイナスが大きいですが・・・、 国庫支出金、道支出金が多くなってきているため、歳入が増加しています。 歳入の市債は、単純に債券を発行してお金を集めているだけの話です(借金) 歳出の公債費の増加は、それだけ返済が進んでいるということです。 歳出のそのほかが増大しているのは、国庫支出金・道支出金によるものでしょう。 使途制限があるため、支出金を単純に返済に充てるということが出来ません。 下手にお金を使って、維持費増大等は流石にもうないでしょうが、心配ですね。
◆Coal 自治体の破綻が意味すること
自治体が破綻するという意味は、企業における企業再生・事業再生と同じです。 違う意味合いがあるとしたら、国が救済するか否かという点と思われていました・・・ 自治体が破産しても、東京電力に行っているような助力はない。 公共性の高い自治体だからといって、借金を免除。 住民に負担がかからないように、などという判断は下されませんでした。 自治体が地図上からすっぽりと消えてしまうなんてことはありませんので、 倒産なんてことはないでしょうが・・・ 自治体の破綻は、企業の破綻とそう変わらないのかも知れません。
◆Coal 財政再建団体と財政再生団体
自治体の破産、財政破綻・・・ 夕張市は、財政難により2007年3月6日に財政再建団体に認定されました。 ※2009年4月1日、法改正がありました。  財政再建団体 改め、財政再生団体となります。 ※財政再建団体は、自力での立て直しが見込めない自治体を救済するための法律です。  IMFではありませんが、公共サービスの低下や住民負担の増加が前提となります。 ※財政再生団体も似たようなもので、実質赤字比率や公社債比率といった認定基準があります。 TOPに戻る:夕張市の今・現在
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